昼頃着いたのでそのまますぐにガンガ―ガンジス河の意味、に行く。ガット(沐浴場)は昼の一番暑い時なので人はあまり居なかったが、病人や半死人が至る所にいた。ライ病で指の無い人、もう半分死んでいて骨と皮ばかりになって毛布を被ったままじっと動かない者が。水際では男の子達が川底に潜っては砂をすくっては金目の物を探している。その脇では女の人がその汚い水で口を注ぎ、さらに5回もその水を手に一杯に飲むのを見て度肝を抜かれてしまった。
火葬場へ細い道をくねくねと人に訊きながら行く。そこにも死ぬために来た人達がじっといつか来る自分の番を待っている。5、6箇所で火が燃えている。キャンプファイアーを大きくしたみたいなもので、中間に死体を置いて焼く。足がはみ出しており、その足がポキンと折れて落ちた。次に焼かれる死体が3体、布に巻かれて待っている。近くで犬が肉の焦げている匂いに興奮してか時々吠えている。体毛が抜け落ちた嫌な感じの犬が多かった。そのすぐ近くで水牛が水を浴び、子供達が一緒に遊んでいる。
4月6日、朝5時に起きてガンガへ向かう。沢山の人達がみな同じ方向に向かってひたすら歩いている。ボートに乗って水上から観る、やってる、やってる。何千という老若男女が水に潜り、口を漱いで太陽を拝み、ついでに泳いだり服を洗ったりしている。傘の下にいる僧侶たちは毎日の事なので、どうでもいいような風でぼんやり河を見つめ人を見ている。ついでに昨日行った火葬場の前をボートで通る。3体ほど焼かれるのを待っていた。 火はまだ無かった。死体は布を巻かれて何時間か河の水に浸された後、河岸で水を切り順番に焼かれるのだった。
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