次の日バスでコナラクに向かう。バス出発の3時までバンガロー前の芝生に寝転び、我々をずっと待っていたリキシャに乗ってバスの停留場まで行く。夜8時にコナラク着。泊まる予定のバンガローまで久しぶりに荷物を背負って歩いた。まったく暗い道を歩いたので、周りがどうなっているのか全く解らず明日の朝が楽しみだ。
3月27日、砂原の真中、そこに少し樹があり、突如と石のでかい塔が建っている。それは寺院だった。石が実に丹念に何十年という歳月を掛けて刻みこまれていた。石の人間が柔らかくなま生としていた。彼らヒンズーにとって寺は生活の中心。それゆえ寺にある浮き彫りは人間の一生を示していた。子供と一緒の母親、戦い、狩、セックス、女性美、鳥、象、ライオンなど。母親に連れられた女の子、中学生の団体などが寺の周りを回っている。セックスのいろいろな浮き彫りが沢山あり、そんなものを漠然と見せることによって実際的な男と女の関係とはどういう事なのか、結婚とはどんなものなのかを芸術的に教えているようで、アメリカやスエーデンとは違った性教育をしていた。
3月28日、バスでカルカッタ行きの汽車が出ているブバネスワルという駅に行き、そこから夜10時の汽車に乗る。予約した寝台車には切符なしで休んでいた親子がいたが退いてもらって眠る。体力維持のためには結構非情になれるものだ。予約料金は一人12ルピー(約360円=1ドル。但し闇ルートで正規のレイトではないが)の差だった。
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